超高層タワー型マンションに関わるもの

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超高層タワー型マンションに関わるもの

ゴンドラ仮設で作業する10階から22階の部分

◇22階建て超高層マンション ゴンドラ、塗材等、高所用の改修仕様
①建物概要
1999年(平成11年)4月竣工・RC造・1棟・22階建て・89戸
②主な工事内容
・共通仮設/現場事務所、作業員詰所、資材置き場、ガードフェンス、仮設トイレ
・直接仮設/1~9階足場組み立て、10 ~ 22階ゴンドラ仮設、立体駐車場入り口回り鉄骨ステージ設置
・下地補修/ひび割れ、爆裂、浮き補修、高圧洗浄、薬品洗浄
・シーリング/ ALCパネルサッシ建具回り、ALCタイル塗装面目地、RC塗装タイル面目地、共用廊下防風板パネル目地等
・外壁塗装/外壁(柱・梁・ALC面、手すり見付、パラペット見付)、エントランス回り、共用廊下面
・鉄部塗装/竪樋、隔板、ドレン、玄関枠、MB扉、防火戸、防風板支柱、屋上出入口扉、電極切換盤、航空障害灯制御盤、ヘリポート灯制御盤
・防水/各室ベランダ床、共用廊下床塩ビシート不良個所補修
・その他/クリーニング工事(サッシガラス、手すりアルミパンチング、共用廊下防風板両面、エントランス床・石材)等
○工期/平成26年1月13日~7月12日(6カ月)

③経過
マンションは低層テラスハウスから5階建ての中層建物、6階建て以上の高層建物と区別されるが、今回は建築基準法などで一般的に「20階建て以上高さ60m以上」と定義される「超高層マンション」の工事現場を訪れた。
超高層マンションの大規模修繕工事とその他の中高層マンションの大きな違いは、作業スペースが枠組足場ではなく仮設ゴンドラとなることである。
仮設ゴンドラは天候に左右されるため作業効率が悪く、風による揺れや塗料の飛散、仕上がりへの影響が出てくる。
現場代理人は毎朝、風速計でチェックし、労働安全衛生法で定める「悪天候」=10分間の平均風速が毎秒10メートル以上の場合は、仮設ゴンドラの稼働は中止となり、高所作業を延期している。
このため、通常4,5カ月の工程を1カ月以上予備日を想定した「6カ月間」の工事期間とした。それでも「天候に左右されて、工期半ばで10日くらい遅れている」状況のようだ。
また、横に稼働ができないゴンドラでは、ベランダの隔壁版(パラペット)に通り抜けできる穴を作り、作業員が移動するといった工夫も必要。建物のコーナー部分でロープ作業もあり、作業と危険は隣合わせだ。
風は作業性だけでなく、外壁材や塗材等にも影響する。
超高層マンションではベランダ・廊下と住戸の境壁にALCパネル(軽量気泡コンクリート)が使用されているケースが多い。大規模修繕工事では、このパネル間のジョイント部分のシーリング工事が不可欠となる。
塗 材 は ま ず、さまざまな下地に強固な密着性を維持する下塗材が必要である。さらに外観の維持 と い う 面 で、
超低汚染性、超耐候性が求められ、作業リスク面から工程省略・飛散抑制のためのローラー施工塗材などが求められる。
◇超高層マンションは2000年以降に急激に増えている。これらのマンションが大規模修繕工事周期に突入する時期に入り、2022年には年間約100棟の超高層マンションの大規模修繕工事が行われる計算になるといわれている。
大規模修繕工事を専門とする改修業者も超高層マンションの工事事例を増やし、ノウハウの蓄積を高め、ハード面はもちろん、居住者の意識、ニーズなどソフト面の集約なども実績としてまとめていくことが必要となっている。
(写真は日本ビソー株式会社ホームページより抜粋引用)

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